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第3部【perfect】



life / fiction

――――― 『イデアは言葉を話さない』



あたしはいつもの部屋で目を覚ました

あたしは夢を見ていたの?
あたしは・・・・



あの おんなのひとは誰?

夢だったのかな
あたしの思い描いた世界 / 夢 だと思っていたけど
どこかズレていて
どこにも行けなくて

窓の外を見たら夜だった
静かで どこか悲しくて
まるで 明日がないかのような

あたしは少し疲れてしまった
眠ろう / 眠れる







「おはよう」





あたしは目を覚ました


あの おんなのひと 笑ってたようにも見えた

ううん もしかしたら 悲しんでいたのかもしれない

あたしは朝食を食べようとテーブルに向かった




お花が今日もおいしい





ニーナの心臓の音は聞こえることはなかった



- END -



NEXT
2015年『フィリアは渇いた中で』
2016年『夢は とこしえに続く』(仮)

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第2部 【 a w a k e 】- 2




知ってる? あなたは呼吸があるようでない
私は知ってる 私は呼吸をしているから


――――― 『イデアは言葉を話さない』


辺りは暗く どこか不気味だけど
どこか心地良い
この先に何があるのかな
あたしは興味深々で先を進んだ

もし あたしが眠ってるだけなら
これは夢なのかもしれない
でもね 少しだけ気になるのは
さっきからあたしの心臓の音がしない

目を閉じて あたしはいつも心臓の音を聞いていた
でも いまはしない どうしてだろう



ふと 光るものを遠くに見つけた
あたしは近づいた
色彩はなく ただただ光を放っていることだけがわかった



すると 突然 暗闇の中から花が現れて
あたしを囲んだ
まるで あたしを殺すように近づいてきた
それがなぜか怖くて

あたしは怖くなって 逃げ出した
途中 横たわる おんなのひとをみたけど
さっきのお姉さんとは また違った

あたしは暗闇を走り抜けた
必死になって その間 時折 目を閉じたり開いたり
そこに見えるイメージはまるで走馬灯のようだった







好きな色と好きな花
あたしは、あたしは、ただあたしの思い描く
場所にいきたかっただけなのに

夢なら覚めて お願い




思いは想いとは違い

現実は色彩を取り戻した




to be continued Next - 第3部【perfect】-1

第2部 【 a w a k e 】- 1

――――― 『イデアは言葉を話さない』



H e l l o , H o l l o w





あたしは目を覚ました

そこには病棟にいたお姉さんがいた
空を見上げて なにか見ていた
あたしも周りを見渡すと
天空から光が漏れて 辺りは薄暗かった
どうしてこんなところにいるの?
ふとまたお姉さんの方を見ると
もう そこにはいなかった

- 広い空が消えて 光も消えた -

嘘みたいだけど 本当のこと
夢みたいな視界と感覚
無機質だった あの病棟よりも空気を感じて
無音だった あの病棟よりも世界の呼吸が聞こえる
あたしはあたしが願った場所にいる そう感じた

目を閉じなくても あたしはここにいる
視界が開けて あたしはここにいる
静かな世界

おまえの願いなんて 嘘つきの云うことだ
なんて
云われたことがある





「嘘は叶うの」
お姉さんは囁いた

あたしは笑った



to be continued Next - 第2部【awake】-2



第1部【 s l e e p 】


 
かつて この白い部屋に住んでいた少女がいた
名前はニーナというらしい
僕はまだ その名前しか知らない
君はなにを見たんだ
部屋の片隅に絵本だけ残して
君は・・・


――――― 『イデアは言葉を話さない』




あたしは知らないことばかり
だから いつも頭の中で遊んでる
絵本で読んだ いめーじは自分で決めるんだって
あたしは今日も眠れない
ベッドに座って 足をぶらぶら
天井見上げて あたしは眠れない



景色はいつも同じで たまに誰かが置いてく
色んな色の置物がたまにあって
でも あたしにはあまり興味がなくて
目の前の視界より あたしの頭の中の視界のほうが
楽しいのだ

ここは1-Bの病棟っていうらしい
今朝 かわいいお姉さんがお花を見つめていた
だから 「おはよう」っていった
そしたらお姉さんも「おはよう」って返してくれた
それが嬉しかった
あのお姉さんは少しだけ 寂しそうな顔をしていた
どうしてだろう あたしはもっと眠れなくなった




カーテンから少し漏れる光がうっすらとあたしの視界に入る
その光に見惚れた あたしは目を閉じて
真っ暗なのに 光が入ってくる感覚を楽しんだ
あたしだけの花火みたいで あたしは恍惚として
あたしの呼吸の音を聞きながら
あたしは...





to be continued Next - 第2部【awake】



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