かつて この白い部屋に住んでいた少女がいた
名前はニーナというらしい
僕はまだ その名前しか知らない
君はなにを見たんだ
部屋の片隅に絵本だけ残して
君は・・・
――――― 『イデアは言葉を話さない』
あたしは知らないことばかり
だから いつも頭の中で遊んでる
絵本で読んだ いめーじは自分で決めるんだって
あたしは今日も眠れない
ベッドに座って 足をぶらぶら
天井見上げて あたしは眠れない
景色はいつも同じで たまに誰かが置いてく
色んな色の置物がたまにあって
でも あたしにはあまり興味がなくて
目の前の視界より あたしの頭の中の視界のほうが
楽しいのだ
ここは1-Bの病棟っていうらしい
今朝 かわいいお姉さんがお花を見つめていた
だから 「おはよう」っていった
そしたらお姉さんも「おはよう」って返してくれた
それが嬉しかった
あのお姉さんは少しだけ 寂しそうな顔をしていた
どうしてだろう あたしはもっと眠れなくなった
カーテンから少し漏れる光がうっすらとあたしの視界に入る
その光に見惚れた あたしは目を閉じて
真っ暗なのに 光が入ってくる感覚を楽しんだ
あたしだけの花火みたいで あたしは恍惚として
あたしの呼吸の音を聞きながら
あたしは...
to be continued Next - 第2部【awake】
PR